ちぇこです。
ずっと気になっていた西原理恵子さんの新刊「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」を読みました。
すごく面白かったので、感想を残しておきます。
もうすぐ巣立つ娘さんへのメッセージ本
王子様を待たないで。
社長の奥さんになるより、社長になろう。
お寿司も指輪も自分で買おう。そのほうが絶対楽しいよ。
こんな冒頭ではじまる本書。
厳しい世の中を、これからの女の子たちがどう生きていくかを書いた指南書。
そんなふうに想像してわたしは読み始めました。
もちろん、その予想は間違っていなかったのですが、読み進めるうちに、
あぁ、これは娘さんへのエール本なんだな、ということに気づきました。
西原さんの娘さんはもうすぐ16才で、現在反抗期真っ只中、とのこと。
そんな娘さんが船出の時期に来たのだと悟り、見守りながらもバトルしている西原さんの様子が書かれています。
どちらかというと感情移入の度合いが激しい母に育ったわたしは(笑)、西原さんのようなタイプの母親もいるのだなあ、と思いながら娘さんの立場で思いを巡らせていました。
- 「お母さんなんて、嫌い!」
- 「どこまでわたしを突き放せばすむの?」
- 突然金髪にしてきた夏休みの3日間。
これらのセリフやエピソードすべてが、わたしには「お母さん、もっとわたしを見て!わたしに構ってほしい!わたしのイメージ通りの愛をちょうだい!!」
と叫んでいるように感じました。
(もちろん、西原さんは娘さんを愛しています。)
そこへきて、西原さんと西原さんのお母さんとのエピソード。母と娘という関係は本当に難しいです。
そして脈々と形を代えて受け継がれていくものだということを、改めて感じずにはいられませんでした。
西原さんも書いていましたが、西原さんのお母さんからの
「あんたらのためにわたしは我慢した。離婚せんかったぞね」
というセリフは、やっぱり日本という社会を象徴しているように感じました。
日本の女子へ。「我慢は」いらない!
この本では、大切にとっておきたい言葉が何度も出てきたのですが、中でもわたしが強く感じたあるメッセージを今回は掘り下げたいと思います。
それは、「我慢」はいらない、ということ。
西原さんは「自分さえ我慢すればいい」という考えは、次の一手を打つことをはなっから諦めてしまうことなんだ、と説いています。
そしてそれは思考停止を意味するんですよね。
自分を殺して自分で考えたりチャレンジしたり何かを得るチャンスをすべて放棄してしまっている状態。
それなら、なんのために生まれてきたんだろう…?と思いませんか。
どこにも旗を立てず、穏便にすませることに注力し、波風たてず、死んでいく。
そういうわたしもつい最近まで、無意識のうちに人生において「我慢」が多かったこと、やっと、やっと気づけたひとりです。
「自分が」どうしたいかじゃない。
まわりが、世間が、親が、会社が、上司が、。。etc…
人の目ばかりを気にして、勝手に自分を縛って、勝手に我慢していたのです。
そのことに気づけたからこそ、西原さんの言葉がスーッと入ってきます。
「自分さえ我慢すれば」は間違い。
まず自分がちゃんと幸せにならなくてどうする。
自分をちゃんと大切にできるって、女の子にとってすごく大事なこと。
うん、うん(TへT)
人間ってね、我慢に我慢を重ねていると、気がついたときには、気力も体力も奪われて、次の一手を打つことが出来なくなってしまう。そして黙って倒れるまで働き続ける。日本人全員が、ひとりブラック企業みたいだと思う時がある。
西原さんはかなり波乱万丈な人生で、そして高知女性らしい豪快さがあるので(笑)、世間から見ると派手で「あのひとは特別だから」「才能があるから」などと言われがちかもしれません。
でも、そうではなくて、日本中の女の子が、これから幸せに生きていくためにはこの「我慢」をやめること、「自分さえ我慢すれば」呪縛を自力で解くこと、そしてわがままに生きていっていいんだって、気づくことが、なにより大切だなと痛感しました。
そして、自分の足で立つこと。
好きなこと、やりたいことだから、お金は安くてもいいなんて考えないで、どうしたらそれで稼げるかを考える。
その次にこの「稼ぐ」ということを、わたしもわたしなりに考えていきたいと思っています。
西原さんはまた、「笑い」を大切にしています。
わたしも、生きる上で「ユーモア」ってすっっごく大事だなと思うんです。
せっかくこの世に生まれたからには、この世で体験した出来事を、おもしろおかしくまとめたて死にたいじゃないですか。
ユーモアって、「余白」の部分だと思うんです。
つまり余裕がないと、ユーモアや笑いは生まれない。
逆に言うと、ユーモアや笑いがある人は、いつも心に余裕がある。
わたしも常に、そんな人でありたいなと思います。
***
最後に。「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」…この本では、中盤に現在反抗期真っ只中だという西原さんの娘さんへのメッセージも詰め込まれています。
そこに母親としての確かな愛情があって、涙なしでは読めませんでした。
この1冊に出逢えて良かったと、心から思います。「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」おすすめです!!
文中にも出てくる「毎日かあさん」のDVDと、わたしが好きな「パーマネント野ばら」のDVDもリンクを貼っておきます。