ちぇこです。
今日は、映画「メッセージ」を見てきました。
以前から映画館で予告を観るたびに気になっていたんですよね。それでは私なりの感想を書いてみたいと思います。
ドキドキと怖いもの見たさの好奇心
突如地上に降り立った、巨大な球体型宇宙船。謎の知的生命体と意志の疎通をはかるために軍に雇われた言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は、“彼ら”が人類に<何>を伝えようとしているのかを探っていく。その謎を知ったルイーズを待ち受ける、美しくそして残酷な切なさを秘めた人類へのラストメッセージとは―。
オフィシャルページの解説ではこのように記されているストーリー。
巨大な球体に入っていくあたりからもうドキドキして気が気ではありませんでした。
普段こういったSFものは観ないので、なおさら。
怖いけど、観たいけど、怖いけど、観たい。そんな感じで、可能であるなら枕だとかクッションをぎゅっと抱きしめて顔を半分隠しながらチラ見したいような気分でした。 笑
しかしルイーズはなんて逞しい女性なんだ、と感心しきり。あの度胸は才能としか言いようがないです。
でもああいった未知の生命体をどのようなビジュアルで表現するのかって難しいだろうなと思いました。結果的にイカのような感じでちょっと拍子抜けしましたが(笑)ある意味人間が想像している範囲内のビジュアルで同時に安心もしました。「全然実態の掴めない何か」ってホント怖いものだと痛感。
そして謎の知的生命体が書く表意文字は、ああ、こりゃ書だなあ、と思いながらうっとりした気分で観ていました。私も長く筆を持っていませんが書きたくなったり。墨の匂いが懐かしく感じたり。
そしたらやはり先程みた監督インタビューで
「実は、日本のデザイン、筆や禅的なものに影響を受けているんだ。ヘプタポッドに強い存在感を抱いていて、僕にとってそれは禅に通じるものだったから」
と答えている記事があり、なるほどなあと思いました。
そして謎の知的生命体はやはり地球とは違って知的に進んでいることもあり、時間の概念がないと。
これは私たちにとってはなかなか理解が難しいところだと思いますが、この設定にも納得してしまいましたね。ちょっと心理学や哲学とも重なってくるような。なるほど、と。
人間の不安が生み出した現実
私がこの映画を観ていて終始感じたのは、人間は「不安」から実に様々なものを勝手に生み出すのだなあということ。
まずそもそも、謎の知的生命体が地球に12体やってきたことは、地球人にとってはそりゃあ衝撃の事件です。
けれども、観ている限りこの謎の知的生命体は、ただの1つも何か地球人に危害を加えることはありませんでした。
しかし「得体の知れない何か」に恐怖を覚えた人間はパニックから暴動を起こし、不安と怒りのぶつけどころがなくて政府への批判ばかりが大きくなり、ネットの過激的な意見に影響された軍人が巨大球体に爆弾を仕掛けて攻撃し…。
果てには当初団結していた各国がコンタクトを断絶させ、それぞれ独自に攻撃を開始しようとする…。
人間が生命存続のために持つ得体の知れない「不安」とは、本当に恐ろしいものです。
そしてそれが、最終的に戦争や争いを生み出しているのかもしれません。
そういった意味でこの映画は、世界や各国に対して、こういった時にこそ、対話が必要であることを訴えているのかもしれません。
時間の概念がないからこそ、過去も未来も変えられる?
これは、私の理解不足かもしれませんが…
最終的に、ルイーズは少し未来の自分と中国の上将との会話から、現在(と思っている)の突破口を見つけて無事に上将を説得することができました。
一方で、自分のパートナーや娘の出生、離婚、娘の死に至るまでの未来も見えていながら、彼と一緒になり子供を作る未来をラストで選びます。
「辛いかもしれない結末がわかっていても、その未来を選ぶ」というなんとも切ないテーマが出てくるのですが、私としては、人生はそもそもそういう側面があるものだといった感覚があります。
ただ、少し先の未来が見えて現実世界をルイーズが救った(未来を変えた)ように、娘や夫に関するこれからの出来事も、変えることができるんじゃないの?という疑問が残りました。
むしろ、そうであってほしい、という気持ちもあるのかもしれません。
3,000年後。知的生命体はどんな危機を迎えて人間に助けを求めるのでしょうか。
最後に
なかなか複雑で難しい映画でした。
夫なんぞは、謎の知的生命体が「墨で文字を書くタコだったね」と言っていましたが(笑)、私はなんともドキドキしましたし、スリリングな2時間を味わえてたまにはこんな休日もいいなと思えました。
そして英語もっと勉強しようと思いました(←唐突。笑)
以上。映画「メッセージ」の感想でした。