肩の力を抜けば、なんでもない今日も優しく感じられる。益田ミリさんの「今日の人生」がおすすめ

書評
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ちぇこです。

毎日、なんだか忙しい。肉体的にだけでなく、心もなんだか忙しい。

自分のためだけの時間って、なかなか作れない…。

そんな毎日を過ごしていませんか?実は私、そんな現代女性におすすめのコミックエッセイを見つけてしまいました!

私が最近読んだ中で、とってもお気に入りの1冊になった益田ミリさんの「今日の人生」です。

見つけて即ジャケ買いしてしまった、かわいい装丁

この本との出会いはいつも通っている本屋の、ピックアップコーナー。

表紙のあまりの可愛さに、迷わず手にとって気づけばレジに並んでいました。4月には出ていたようですが、私が手に取ったのはすでに4刷。もっとはやく気づいていればよかったー。

もともと益田ミリさんの作風は気になっていましたが、ミリさんのこのタッチと、タイトルと今回の表紙のデザイン。好みどんぴしゃでしたねー。

デザインは大島提亜さん。

表紙の装丁は、ミリさんが子供のころに作った切絵をデザインのベースにしたんだそうです。すてき!

(詳しくはミシマ社さんのインタビュー記事に。)

1ページ8コマで1日を表す(だから2コマで終わる日も、飛んでいる日もある)という設定も、すごく面白い。

とにかく工夫が凝らされたすてきなデザイン。

ミリさんが綴る、ふつうの毎日が愛おしい

肝心の内容ですが、すごくゆるやかな時が流れていて心地良いです。

何かすごい事件が起きるわけでも、すごく辛いことや悲しいこと、ジェットコースターのようなこころの動きがあるわけではありません。

でも毎日の何気ない人生を「これでいいんだ」って思わせてくれるような、ニュートラルな優しさがあるんですよね。

大好きなお話はたくさんあるのですが、絞りに絞って(笑)上げるとすれば、電車を待っているときに、高校生男子に割り込みされた話なんかがすごく好きでした。

そのほんわかした絵柄やセリフのまま、

ミリさんは電車に乗り込む際よろけたふりをして電車に手をつき、彼をブロックすることに成功したことを告白しています。笑

このさりげないブラックさが、大好きで。私もこういうこと、普段やってるなーと。笑

面と向かって「並んでますけど」とは言えないんです。でもメラメラと苛立つものはあるので、無言で抵抗してみる、ということをしたくなるんですよね、私。笑

一方で、もっと読み進めていくと、海外で理不尽な思いをしたお話が入っています。

そこでミリさんは、相手に意見できなかった自分に対して「わたしは、わたし自身を守ってやれなかった。それが、何よりくやしかったのでした」と語っています。

この海外のお話、すごーく好きだなあ。

益田ミリさんという人の繊細な感覚が詰まっていて、なんだか落ち着くんです。

この他にも思わず微笑んでしまうようなお話収録されていて、スイスイ読めてしまいます。

ちなみに、夫は益田ミリさんの過去の作品も結構読んでいたそうで、私が買ってきた今回の本も「おもしろい」と言って私より先に読み終わっていました。

時を重ねることで、どうやら作風も少し変化があるようで、私もそのあたりを体感してみたいので過去の作品ももっと読んでみようと思いました。

ほんとうにおすすめの1冊です。

おまけ:ミシマ社さんを応援したくなる

おまけのお話。

本に同梱されていた、ミシマ社さんの「ミシマ社通信」としおりとレビューはがき。どれも手書きでこれまた可愛かった。

本を作って売り出すことに丁寧な愛情が込められているのだなあと、感じずにはいられません。

モノづくりって、すてきだな。

こちらも好きです。「チエ子さん」という名前にシンパシーを感じて以前購入。笑

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