ちぇこです。
楽しみにしていた細田守監督の映画「未来のミライ」が本日公開となり、さっそく観てきました!
多少ネタバレありで、感想を残しておきます。
「未来のミライ」、賛否両論ありそうだ…
この映画はいつものごとくなんの前情報もなく観に行きました。
細田守監督の作品はとても好きなので、すごく楽しみにしていたんですよね。
ただ今回の作品は、評価がかなり厳しいものになっていくのではないかと思いました。
なぜなら、映画を観終わってスクリーンを出る際に、他の観客たちの感想を地獄耳の私が多数拾ったところによると(笑)芳しくなかったからです。
でも!!でもです。私はこの映画でかなりかなーーり大きな気づきを得ることができました。
それは、とにもかくにも主人公「くんちゃん」の、第一子としての葛藤に共感したこと。そしてそれによって自分にも実はそんな抑圧していた思いがあることに気づいたからです。
映画の内容をネタバレしながら、書いていきたいと思います。
「王座の転落」を味わった主人公くんちゃんに、共感しかない。
この物語の主人公は、甘えん坊の男の子「くんちゃん」(4歳)。
お父さんとお母さん、そして犬のゆっこと幸せに暮らしていましたが、ある時くんちゃんに妹が生まれます。
それまで両親の愛情を一身に受けて育ったくんちゃんは、その愛情を妹の未来ちゃんに奪われてしまった(と、思ってしまった)のです。
これは、アドラー心理学でいうところの、第一子の「王座の転落」もしくは「失われた王座」。
よく、妹や弟が生まれると赤ちゃん返りする、などとも言いますが、まさにそれは王座を奪われたことによる反応なのです。
この物語は、まさにそんなくんちゃんを中心として進んでいきます。
「未来ちゃん好きくない!」と言って反発し、「未来ちゃんに優しくできない!」と言うくんちゃん。
「お父さんもお母さんも未来ちゃんの方がかわいいんだ」と、本気で思っているんですね。
これらのシーンは、観ている側としたらイラっとする人も多いのではないかと思います。現に夫はイラっとしていたようです。笑
でもなぜかくんちゃんにすごく共感してしている私がそこにはいました。
特に、ミライからやってきた未来ちゃんに対しても「くんちゃんは可愛くないから…」と弱音をこぼしたシーンはかなりうるっと来てしまいました。
そうか、自分は「かわいくないから」、「かわいい未来ちゃんは愛されるけど」、「かわいくない僕は愛されない」…小さなくんちゃんは、そう思いこんでしまったんですね。
だからつい、本当はそんなことしたくないのに赤ちゃんの未来ちゃんをおもちゃで殴ってしまい、お母さんにものすごく怒られてしまう。そんなくんちゃんを見ていて、本当につらかったです。
私も小さな頃よく弟と本気で喧嘩をしていたけれど、未だに罪悪感が残っています。
3歳も年下の弟に、どうしてあんなに本気で攻撃してしまっていたのか。ただただ自分が意地悪な子だったからだとずっと思っていたけれど、本当はどこかで、弟のことが羨ましかったのかもしれません。
物語終盤、家族みんなでキャンプに行くシーンで、黄色いズボンを履きたいと駄々をこねたくんちゃん。
「黄色いズボンじゃなきゃ行かない!」と立て籠りますが、いざ自分だけ置いていかれたかもしれないという状況になった時に、とてもつらい思いをします。
…これも何度も何度も私が小さな頃に経験していたことだな、と急に鮮明に思い出しました。
本当は一緒に行きたくて仕方ないのに「行かない!」と親を試すように意地を張っていた私。そして実際に、両親と弟は3人で出かけて行ってしまうのです。車が駐車場から出ていくのを窓から眺めながら、本当は行きたかったのに、と大泣きしていた私…あぁぁああ…書いていて古傷がうずいてきました。笑
未来ちゃんは、生まれたばかりの赤ちゃんで、かわいくて、存在するだけでみんなにちやほやされます。
泣けば誰かがかまってくれるし、大切に扱われます。
そんな映画の中の未来ちゃんを見ていて、完全にくんちゃんと同化してしまった私は、なんとかわいいかわいい未来ちゃんにイライラしていました。
おそらく、くんちゃんの歳の頃の私の感情が、呼び起こされたのだとしか考えられません。
お母さんの愛情がもっともっと欲しい
これらの感情はすべて、もっとお母さんに甘えたい、愛してほしい、お母さんの愛を独占したい、という思いからきていると思います。
おそらく、もちろん人によりますが、第一子にとっては「あるある」なことなのでしょう。
本当はもっと自分に注目してほしいし、よしよししてほしいし、ぎゅーってしてほしい。でもそれが叶わないと思っているから、逆の行動に出て困らせることで注目を得ようとしてしまうんですよね。
物語を観ていて、くんちゃんのお母さんは(私からすると)サバサバしたドライな女性でしたが、現代のごくごく一般的なお母さんだなあとも思いました。
そしてこのお母さんもきっと甘え下手だったんじゃないかなと思っていたところ、お母さんの幼少期のシーンも出てきて、お母さんのお母さんとの関係に胸が痛くなりました。
お母さんにも、そのお母さん(くんちゃんのおばあちゃん)との関係があり、そしてそれを受け継いでいるんですよね。
でももちろん、命のバトンが渡っていくことで、素晴らしいことだってたくさんあります。
物語の中盤からは、くんちゃんという人間がこの世に生まれる前までのそれぞれの家族のシーンを垣間見ることができて、そうして脈々と受け継がれてきたからこそ、今この命があるということが表現されています。
まーーーーそれにしても!なんといっても!ひいじーちゃんのかっこいいこと!!!笑
お父さんがひょろひょろした男性だったからこそ(笑)、馬を乗りこなす口数の少ないあのひいじーちゃんの若かりし頃がかっこよかったです。しかも声優さんが福山雅治さんだったことに驚き!
やはりイケメンは声もイケメンなんだなあ(〃▽〃)照
幼い頃の無意識の記憶が呼び起こされたすごい時間だった
そんなわけで、この映画は、私にとって図らずも第一子としての「王座の転落」の感情の記憶を少しだけ呼び起こさせてくれるものすごいきっかけとなりました。
実は先日、同じように赤ちゃんが生まれて、お母さんのことを気遣ってなんでも自分でやろうとがんばるなっちゃんという女の子の絵本「ちょっとだけ」を読み、号泣したり(笑)←でも、絵本の中に入り込んでしまっただけで、自分にはこういった経験はないと、かたくなに思っていた。
この間見た「wonder」という映画でのお姉ちゃんならではの苦悩に映画館で涙したり▼
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やたらと、第一子ならではのガマンみたいなテーマのものに行きつくことが続いています。
全然自覚していなかったけれど、私にもこのあたりは何か眠っているようです。
少なくとも、私が家族といる時の様子からも、それを夫は感じているというのです…!!!なんてことーーーー!!自覚していないって、怖いですね。
でもだからこそ、自分を見つめる良い機会なのだと、思っています。
***
いかがでしたでしょうか。
私にはまだ子育ての経験がないので主人公くんちゃんの目線で感じることに精一杯でしたが、きっと小さな子供を抱えて育てるお母さんには、お母さんなりの、大変さが本当にたくさんあると思います。
そういった意味で、どの立場でこの映画を観るかによっても、感じ方は全然違ってくるのだろうなと思います。
映画「未来のミライ」のネタバレあり感想でした!
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